職種や性別を問わず、誰もが能動的に着たくなるユニフォームを目指して
新ユニフォームの導入の背景・導入前の課題
フジテック株式会社様は、研究・開発から販売、生産、据付、メンテナンス、リニューアルまでを一貫して担う専業メーカーであり、幅広い職種の従業員が在籍しています。
従来は職種や性別によって異なるユニフォームを採用していたため、統一感が欠け、運用面での煩雑さが課題となっていました。さらに、安全衛生基準の厳格化や気候変動への対応、人材獲得競争の激化といった社会課題の変化を背景に、安全性、デザイン性・機能性・快適性の向上を求める声が強まり、刷新の必要性が社内で高まっていました。
こうした状況を受け、新ユニフォーム導入プロジェクトが発足。コンセプト設計・デザイン監修は株式会社セイタロウデザイン様が、デザイン・製作はオンワードコーポレートデザインが担い、3社連携による取り組みを開始しました。
ユニフォーム製作のステップ
製作にあたり、株式会社セイタロウデザイン様監修のもと、新ユニフォームのコンセプトを設定しました。
そこで掲げたのが、 『「人」が主役となるブランド』への進化を体現する“GRADATION DIVERSITY”(グラデーションの多様性)というコンセプトです。これは、「個性や多様性というグラデーションの中で統一感を作る」という考えをもとに、誰が着ても“フジテックらしさ”が表現されるユニフォームを目指すものです。 併せて、ワーキングユニフォームにとって不可欠な安全性と機能性も追求しました。
プロジェクトメンバー全員で同じ意思を共有し、立ち上げ段階から一貫して同コンセプトを実践しました。
クリエイティブディレクターの山崎晴太郎氏が設計した新コンセプト |
多様な職種・年齢層の従業員様600名以上からのご意見を収集した結果、「いろいろな着こなしをしたい」というお声を受け、ベストをラインナップに追加し、パンツの裾を絞れる仕様を採用しました。
パンツはシルエットを調整できるため、デザイン面では個性の表現が可能になり、仕様面では足首に脚半を巻く職種の方々に喜ばれる形状となりました。その他も多数ご要望を反映し、作業時の利便性向上に向けたブラッシュアップを行いました。具体的には、業務上求められるポケット数の確保と形状の工夫、ハーネス装着時のポケットへのアクセス性の最適化、パンツの特殊パターン設計など、現場の使用環境に即した仕様改善を実施しています。
さらに、ユニフォームの引っかかりによる事故防止を目的に、マチを内側に収めるなど、安全面を考慮した細かな調整も加えました。 またハードな作業環境を考慮し、素材面にもこだわりました。立ち座りや腕の上げ下ろしなどの動作が多く発生するため、ストレッチ性と耐久性を重視して素材選定を行っています。
年間を通じて快適に過ごしていただけるよう、シャツや防寒着には通気性・保温性に優れ、軽くて丈夫な生地を採用しました。 着用快適性に加えて見た目にも配慮し、仕立て映えする素材の採用もポイントとしています。また、カラーについては、全社員を対象としたアンケートを実施し、その結果を踏まえて決定しました。
こうした検討や改善の結果、街で誇りをもって歩けるデザイン性を保ちつつ、据付・保守など特殊な作業環境にも対応した安全性・機能性・耐久性・快適性を追求したオリジナルユニフォームが完成しました。
ベスト ハーネス取付部
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アウター ポケット
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個性を表現できるジェンダーフリーな6つのラインナップ。
作業効率が向上し、サステナブルな運用も実現
新ユニフォームは、「個性」「多様性」というキーワードを重視し、ジェンダーフリーにデザインした6アイテムを用意しています。
全アイテム男女共通のサイズ構成にしながらも、男女どちらにも合うシルエットを実現し、誰もが快適に作業できるオリジナルパターンを採用しました。組み合わせや着こなし方により従業員一人ひとりの個性を表現できるアイテムラインナップとなっています。さらに、サブアイテムとしてマタニティブルゾン・マタニティパンツもラインナップに追加し、働く女性のライフステージの変化にも対応できる体制を整えています。
新ユニフォームとして製作した6つのアイテム
新ユニフォームの導入による変化
新ユニフォームの導入により、フジテック株式会社様から下記のように着用感や機能性の向上を実感する声をいただいています。
「パンツは膝まわりのストレッチ性が従来より飛躍的に改善し、作業時の効率性が大きく向上しました。また、以前はストレッチ性の低さから大きいサイズを着用するケースもありましたが、ジャストサイズで着られるようになったため、デザイン面も改善し、社内からも高い評価を得ています。
さらにカラーと素材の組み合わせにもこだわり、油汚れが目立ちにくく、洗濯しても色落ちしにくいユニフォームになったことで、長期間着用してもデザイン性を長く保つことが出来ています。 商品設計の面でも、同一パターンのユニフォームを着用するジェンダーフリーの設計・サイズ展開にしたことで、商品数を従来の34アイテム・計259点から6アイテム・計48点への大幅なスリム化を実現しました。 過剰生産や余分な在庫を持つ必要がなくなり、無駄な製品廃棄を減らすというサステナブルな運用につながっています。」
グッドデザイン賞を受賞
従業員様の声を取り入れ、職種や性別を問わずに着用できるデザインが高評価を得て、上記でご紹介したユニフォームが「2025年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。










