涼しい作業服・快適な作業服にはどんな種類・素材・機能がある?
最適な作業服の選び方もご紹介

現場で仕事をする従業員が熱中症になるのを防ぐためには、涼しい作業服や快適な作業服の導入が効果的です。しかし、具体的にどのような種類や素材・機能があり、どういった基準で選べば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、涼しい作業服・快適な作業服の種類、素材・機能や、自社に最適な作業服の選び方をご紹介します。従業員の熱中症を防ぐ作業服の導入にご興味のある方はぜひご覧ください。

目次

涼しい作業服が重視されている背景

夏の暑さは年々厳しくなっており、職場における熱中症による死傷者数は近年増え続けている状況です。
厚生労働省の「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」*によると、職場における死傷者数は2021年に561件、2022年に827件、2023年は1,106件となっており、死傷者数が増加傾向にあります。
また業種別別**でみると、建設業が21%、製造業が20%、運送業が14%、警備業が10%と様々な環境で発生している状況にあります。
熱中症での死傷者数は業種や職場環境を問わず増加傾向にあることから、従業員の健康管理や熱中症対策は急務です。

*出典:「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」 P1
**出典:「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」 P3

涼しい作業服・快適な作業服の主な種類

従業員の健康を管理し、熱中症を防ぐためには、涼しく快適な作業服を着用することが効果的です。
以下では、そうした作業服の主な種類をご紹介します。

夏用作業服

涼しさが求められる夏用の作業服としては、トリコットシャツ、コンプレッションインナーなどがよく着用されます。

トリコットシャツは柔らかくて軽量な素材を使用し、肌に優しい着心地と通気性を実現したシャツです。汗を吸収してすばやく乾かす素材であるため、長時間の作業でも快適さが持続します。
ストレッチ性もあるため、動きやすさも兼ね備えています。

コンプレッションインナーは体にフィットするデザインで汗を効率的に蒸発させるため、速乾性が高く、汗をかいても快適な状態を維持できます。
血流を促進し、筋肉疲労を軽減する効果があり、長時間の作業や重労働に適しているインナーです。

電動ファン付きウェア(空調作業服)

作業着に小型のファンが付属している空調服も人気です。
小型ファンが服の内部へ大量の空気を送風し、汗の蒸発を促進して体感温度を下げることで涼しさを感じ、汗による蒸れを防ぐこともできます。
ただし、ファンやモーターから出た火花が引火するおそれがあるため、ガソリンスタンドのような揮発性の高い燃料を扱う現場では火災の危険があり、着用できません。

保冷剤用ポケット付きベスト

保冷剤用ポケット付きベストは、冷却材によって脇や背中などの熱がこもりがちな場所を直接冷やす作業服です。 電動ファン付きウェア(空調作業服)を使用することが難しい現場で使用することが一般的です。
電動ファン付きウェア(空調作業服)に比べて安価に導入できますが、冷凍庫で保冷剤を冷やしておく準備が必要となるため、使用できる環境が限定される可能性があります。

涼しい作業服・快適な作業服の主な素材

涼しい作業服、快適な作業服には、通常の作業服とは異なる素材が使われていることが多いです。よく使われている素材としては主に以下の7種類があります。

吸汗速乾素材

吸汗速乾素材は汗をかいても乾きやすいため、体温を下げやすくする効果があり、べたつきを防止し快適な着心地をサポートします。
軽量で柔軟性が高いため動きやすいことや、速乾であるため、洗濯後の乾燥が早く手入れしやすいことも特長です。

接触冷感素材

接触冷感素材を使用した作業着は、ひんやりとした冷感があるため高温環境での使用に最適です。長時間の着用でも冷感効果が持続するため、快適さが維持されます。
冷感により体温の上昇を抑え、熱による疲労感も軽減します。

通気性のよい素材

近年インナーを着用している人が多いため、上から着用する作業服は通気性が重要視されます。
麻のような不均一な糸形状によって生地の隙間を増やしたり、校倉織のように空隙を増やしたりすることで通気性を高めている点が特長です。あぜ織の素材などは通気性が高く、生地と肌が「点接触」することで通気性を高めています。
高い通気性により空気の流れが促進され、体温が上がりにくくなります。さらに蒸れにくく、長時間の作業でも快適さが維持されます。

点接触の素材

点接触の素材は、接触面積が最小限であるため、空気の流れが良く、通気性が高くなります。これにより、熱がこもりにくく、涼しさが感じられます。
接触面積が最小限であるため、湿気が溜まりにくく、快適な状態が保たれる点も特長です。

UVカット素材

UVカットは肌へのダメージだけでなく、熱中症予防や疲労感の軽減をする上で重要な対策です。
日射が皮膚に直接当たると体温が急激に上昇することがあり、これが熱中症のリスクを高める原因となります。
紫外線の遮蔽率が高い色の生地を使用することで、紫外線を効果的に遮断し、肌が直接的な日射を受けることが少なくなり、皮膚の温度上昇を防ぐことが可能です。
また、紫外線に長時間さらされると体力の消耗が早くなり、疲労感が増すことがあります。UVカット素材を使うことで、紫外線による疲労感を軽減し、長時間の作業でも体力を維持しやすくなります。

消臭機能

夏場は大量の汗をかくほか、新陳代謝も活発になるため皮脂汚れが作業着に付着しやすくなり、これも臭いの原因となります。
抗菌加工や制菌加工を施すことで、嫌な臭いの原因になるアンモニア、硫化水素、トリメチルアミン、酢酸、イソ吉草酸などの増殖を防ぎ、嫌な臭いを軽減することができます。

防透性の高い素材

涼しさや通気性を重視した素材は薄い素材を使用することがあることから、地肌が透けやすくなってしまうことがあります。
そのため、涼しさを実現するための素材であるだけでなく、着用時に地肌や下着が透けにくい素材であることも重要な点です。

自社に最適な涼しい作業服を選ぶためには?

涼しい作業服を導入する上では、以上でご紹介したような観点から自社に最適な製品を検討することが重要です。
しかし、近年では様々な種類や価格帯の製品が販売されており、自社に最適な製品を選定することは簡単ではありません。以下では、自社に適した涼しい作業服を選ぶポイントを解説します。

選定する上で重視する点を整理することが重要

一口に作業服といっても、現場環境や従業員の作業内容によって重視すべきポイントは異なります。
例えば、人目に触れる機会が多い現場であれば、快適性だけでなく作業服の形状やデザインなどの見た目も重視する必要があります。また、怪我のリスクがある現場であれば、安全性を担保できる製品を選ぶ必要があります。
会社として重視すべき点を改めて整理し、作業服の本来の役割を損なわないようにしつつ、涼しさを実現できる製品を選ぶことが重要です。

自社の環境や課題に合わせてカスタマイズしたオリジナル作業服を選ぶ選択肢も

既製品の作業服では、会社として重視する点を満たすような最適な製品がない場合が少なくありません。そこで、自社の現場環境や作業内容に合わせてカスタマイズしたオリジナル作業服の制作が選択肢に入ります。
オリジナル作業服は、自社の課題に合わせてデザイン・素材・機能性などをオリジナルで制作するため、自社の現場環境や作業内容に適した作業服の導入が可能です。

熱中症対策のできる作業服を導入する場合、現場環境の調査を実施することもあります。調査項目の一つとして、熱中症を予防することを目的として定められた「WBGT指数」があります。
WBGT指数とは、湿度・周辺の熱環境・気温から算出する指標であり、この指標に基づいて作業服をデザインすることで、作業現場に最適な機能性を考慮した作業服を提案することが可能です。

 

オンワードコーポレートデザインがオリジナルの涼しい作業服をご提案

あらゆる業種の作業服に対応

オンワードコーポレートデザインは、建設・運送・工場・警備・清掃など多様な業種の現場向け作業服を展開しています。
導入企業は過去60年間で約1600社にのぼり、あらゆる業種のユニフォーム制作実績があります。

徹底したヒアリングとあらゆる企業の課題に合わせた提案

お客様の課題を解決するために徹底したヒアリングを実施し、ニーズに合わせた最適なご提案が可能です。
オリジナル作業服のご提案時には、WBGT指数の調査など現場調査から実施し、熱中症を予防する上で必要な機能や素材の作業服をご提案します。
また、単なる導入・刷新のためのご提案ではなく、オリジナル作業服によって解決できる課題をヒアリングし、オンワードグループのノウハウ・情報網を活用したソリューションとしてオリジナル作業服をご提案できる点が強みです。

アパレル企業だからこそのデザイン性・クオリティの高さ

お客様の課題を解決するためのデザイン・クオリティをご提供するだけでなく、著名なデザイナーとコラボしたユニフォームなど、アパレル企業にしかできないオリジナルのデザインにてユニフォームを提案することが可能です。
企業向けオリジナルユニフォーム導入を検討されている方は、ぜひご相談ください。

以下の資料では、オリジナルユニフォーム導入を成功させるためのオンワードコーポレートデザインのノウハウを紹介しています。
オリジナルユニフォーム導入を検討している企業様はぜひご覧ください。

DOCUMENTS お役立ち資料

オリジナルユニフォームの導入推進ガイド
オリジナルユニフォームの導入推進ガイド

業界や職種を問わず、ユニフォームはさまざまな企業で使用されています。
特に昨今は、大量生産されている既製品を活用するのではなく、企業がアイデンティティを表現する手段として、それぞれがオリジナルデザインのユニフォームを制作し、活用するケースが増えてきています。既製品では表現できない企業の姿勢を示す重要な要素です。
そこで本書では、オリジナルのユニフォームの導入ポイントや流れなど導入に向けて知っておくべき情報をご紹介します。

RECOMMENDED
COLUMNS
関連コラム